今日は、前回の記事の主人公であるイタリア人画家ジョルジョ・モランディの
ホロスコープを覗いてみたいと思います。
◆生年月日 1890年7月20日
◆出生時間 14時40分
◆出身地 イタリア中部の都市、ボローニャ
出生時間を見つけたので、今回はこちらを採用してハウスも見ていきます。
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火星、木星以外の天体はすべて南半球に位置しています。
しかも木星は逆行していますので、この場合反対の半球にあるものとして見ますから、
南9:北1というバランスになります。
東側と西側で天体の配置をみてみると、5天体づつで、こちらは等分されています。
周囲からの評価を獲得し、意欲的に独自の作風を構築する一方で、
周囲との調和を重んじたであろうというキャラクターが浮かび上がります。
これだけ南半球に天体が集中していますから、周囲から反応を得ることは、
制作をつづける上での必須エネルギーだったのではないかと想像します。
とはいえ、MC乙女に3天体ありますから、他人の感じ方に振り回されたりはしないけど、
自分へのフィードバックとして必要としていた、という雰囲気を感じます。
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アセンダントは蠍でMCは乙女です。
1ハウスには火星が、10ハウスには月金星土星が合で在中しています。
内に秘めた確固たる信念がほとばしるような雰囲気をもっていたのでしょう。
静かなるカリスマって感じですね。絶対怒らしちゃいけない感じがします…w
画家としてのスタイルは、日々コツコツと積み重ねていくタイプでしょう。
インスピレーションで早描きしたり、不意を突くようなアバンギャルドな表現は好まなそうですね。
派手さはなくても、地道に自分の表現を追求していく、研究者のような感じだったのでしょう。
反復を重ねることによって、別の画面を紡ぎだしていく感じが、ピッタリです。
乙女MC周りに3天体集まっていますので、ここが暴走するとマニアックすぎて
人を近付けなさそうですが、1ハウスの蠍火星と7ハウスの双子海王星冥王星合で
Tスクエアを形成しています。
乙女の月金星土星が、描く作業をルーティン化する一方で、
蠍火星が、そこに信念は宿っているのか、とチェックを入れてくる感じ。
また双子海王星冥王星が、その仕事ははたして皆に理解してもらうに足る価値が
あるのか問うて来たり、乙女的ルーティンをグズグズにしてくるような対人関係として
現れることもあったのではないでしょうか。
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太陽は8ハウス蟹。
11ハウス天秤天王星とスクエア、1ハウス蠍火星とトラインです。
生涯生まれ故郷のボローニャで制作を続けていた彼らしい太陽です。
生涯故郷を離れなかったとはいえ、アート界の動向には非常に通じていたのだそう。
アート関連の記事からはもちろんですが、限られた美術関係者達との交流からも
最新情報を得ていたのでしょう。
11ハウス天王星を有効に活用しているのがわかりますね。
彼が故郷を離れなかった理由の1つに、父親の突然の死によって、
18歳にして母親と妹3人を養う責任を負ったため、と言われています。
金星期まっただ中で、諦めることを選ばざるを得なかった彼ですが、
その後の活躍は、8ハウス太陽蟹を精一杯燃焼させた結果なのだと思います。
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素顔の自分を表す月は10ハウス乙女サインにあり、金星土星と合です。
自身の元々の資質を磨きあげることによって、社会での立ち位置を確立していったのですね。
月は8ハウス蟹のルーラーでもあります。
8ハウスを自分の身内、広くとらえるなら、ボローニャという町自体が、
彼のインスピレーションの源だったのかもしれません。
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自分の話で恐縮ですが、13年ほど前に1度だけボローニャを訪れたことがあります。
その時の目的は、モランディとは関係のないものでしたが、
すでにモランディ作品を知っていた私は、ボローニャの街の風景を見て、
ぎゅうっと胸が熱くなりました。
街並みが、モランディの色彩そのものだったからです。
「ああ、この人はボローニャの街に存在する色を使って作品を作りたかったのかもしれない。」
そんな想いがこみ上げてきました。
この8ハウスと10ハウスにかかる月の存在を見て、ふとそのことを思い出しました。
Rail Europeさまより、ボローニャの街の写真をお借りしました。
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